Home >

news Help

Publication Information


Title
Japanese:低温プラズマによる皮膚上細菌の殺菌実験 
English: 
Author
Japanese: LIUZIYU, 大澤泰樹, 八井田朱音, 松村有里子, 岩澤篤郎, 沖野晃俊.  
English: Ziyu Liu, Taiki Osawa, Akane Yaida, Yuriko Matsumura, Atsuo Iwasawa, AKITOSHI OKINO.  
Language Japanese 
Journal/Book name
Japanese: 
English: 
Volume, Number, Page        
Published date Sept. 18, 2024 
Publisher
Japanese: 
English: 
Conference name
Japanese:日本防菌防黴学会 第51回年次大会 
English: 
Conference site
Japanese:東京都江戸川区船堀4-1-1 
English: 
Abstract 〔背景〕 近年,大気圧下で生成できる低温プラズマが開発され,表面処理,医療,農業等分野などへの応用研究が進んでいる。低温プラズマは温度が低いため処理対象に熱損傷を与えず,放電方式によっては放電損傷もないため,皮膚にも直接照射できる。例えば,アトピー性皮膚炎やにきびなどの皮膚疾患に対して,治癒効果が報告されている1。我々のグループでは,大気圧低温プラズマが好気性および嫌気性細菌への殺菌作用を持つことや,エンベロープとノンエンベロープウイルスに不活化効果を示す事などを明らかにしてきた。また,直径40 mm程度の範囲を一度に処理できるシャワーヘッド型プラズマ装置を開発している。このシャワーヘッド型プラズマ装置はプラズマのガス温度が30℃以下で放電損傷はなく,比較的広い範囲を処理できるので,皮膚への応用に適している。 本研究では,皮膚に直接プラズマ処理をして皮膚の常在細菌を殺菌することを目的に,シャワーヘッド型プラズマ装置を用いて表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis ATCC 12228)の殺菌実験を行った。 〔方法〕 シャワーヘッド型プラズマに窒素,酸素,二酸化炭素をそれぞれ10 L/min流し,9 kV,16 kHzの交流電圧を印加することでプラズマを生成した。試料は,S. epidermidisを精製水に混合して108-9 CFU/mLの濃度に調製した菌懸濁液をカバーガラスに10 µL滴下し,乾燥させて作製した。プラズマは1 mmの距離から30,60,180,300秒間照射した。処理後,10 mLの回収液(0.5%ポリソルベート80水溶液)が入った50 mLの遠沈管に試料を入れ,1分間撹拌することでカバーガラスに付着した菌を回収した。そして,段階希釈を行って寒天培地に滴下し,37℃のインキュベータで約24時間培養した後,コロニーカウントでカバーガラスに付着していた生存菌数を求めた。 〔結果〕 表皮ブドウ球菌懸濁液に窒素および酸素のプラズマを300秒間照射した場合,未処理の場合と比べて生存菌数を約1桁減少させる殺菌効果が得られた。しかし,二酸化炭素のプラズマで300秒間照射した場合には殺菌効果が得られなかった。また,プラズマを生成せずに酸素と窒素のガスを300秒間秒照射した場合にも殺菌効果はなかった。 本研究で得られた結果から,窒素と酸素のプラズマはS. epiderimidisに対して殺菌効果を示すことが明らかとなった。ポスターでは,S. epiderimidisだけではなく,黄色ブドウ球菌やアクネ菌などの他の皮膚常在菌に対する殺菌効果も報告する。 〔文献〕 1) Tan F, Wang Y, Zhang S, et al. Plasma dermatology: skin therapy using cold atmospheric plasma[J]. Frontiers in Oncology, 2022, 12: 918484.

©2007 Institute of Science Tokyo All rights reserved.