本研究では,医療の質・安全学会における研究動向の変化をテキストデータに基づく計量分析によって抽
出した.結果として,「医療」と「安全」を「管理」するという方向から,「患者」の「看護」における「医
療」と「安全」という形に関心の構造が変化してきたことがわかった.また,比較のためQuality and
Safety in Health Care 誌を同様に分析し,国際的潮流が日本の学界に影響を及ぼしている点を計量的に確認
した.また分析のために,テキスト内の単語間の関係性の計量的解析と,得られた関係性が持つ構造のネッ
トワーク化を行うソフトウェア・CNA(コンセプトネットアナライザ)を開発した.これは,テキスト解
析を専門としない研究者が本研究のような学術動向の分析や,フィールドワーク等で得られたテキストデー
タの分析を容易に可能とする.CNA はネット上でのフリーウェアとしての公開に向けて準備中である.