ネットワークトラフィックは年々増加しており,システム内でO/E/O変換無しにパケットを光のまま処理可能な全光パケットスイッチングシステムの実現が期待されている[1].全光パケットスイッチングシステムはパケットから分離したラベルを処理し,光ゲートの開閉を制御することでダイレクトなパケットの経路選択を可能としている.ラベル処理後の1bit信号をペイロードが通過可能な幅まで拡大・維持する為には全光フリップフロップ(F-F)動作が必要となる.
これまで,SOA-MZI(Semiconductor Optical Amplifier based on Mach Zehnder Interferometer)に帰還ループを組み込んだ構造[2]のループを含めて集積化した光F-F回路の実現を検討し,基本動作が報告されてきた[3]が詳細な条件は明らかにされて来なかった.今回は回路内の単一SOAの利得特性を抽出し,精密な解析モデルを構築して10Gbps光F-F動作解析を行ったので報告する.