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論文・著書情報


タイトル
和文:GCMに起因する氷河モデルを用いた氷河面積 
英文: 
著者
和文: 渡邉恵, 平林由希子, 渡部哲史, 吉川沙耶花, 鼎信次郎.  
英文: megumi watanabe, Yukiko Hirabayashi, Satoshi Watanabe, Sayaka YOSHIKAWA, Shinjiro Kanae.  
言語 Japanese 
掲載誌/書名
和文:水文・水資源学会研究発表会要旨集 
英文: 
巻, 号, ページ 29巻(2016)    4   
出版年月 2016年9月 
出版者
和文: 
英文: 
会議名称
和文:水文・水資源学会 2016 年度総会・研究発表会(福島大会) 
英文: 
開催地
和文:福島県福島市 
英文: 
公式リンク https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshwr/29/0/29_62/_article/-char/ja
 
DOI https://doi.org/10.11520/jshwr.29.0_62
アブストラクト 氷河モデルにより計算された氷河変動量予測値(氷河面積や質量の変化など)には,気象外力となるGCM予測値のもつばらつきや,氷河モデルの構造,氷河分布情報などの氷河モデルの境界条件などの様々な不確実性が混在している.本研究では,不確実性の一つの要因として,気象外力としてのGCM予測値のばらつきが,どれほど氷河変動予測に影響を与えるかに着目する.これまで氷河モデルのGCMによる予測差は,いくつかの地理区分をひとまとまりとした比較的大きなスケールで示されることが多かった.しかしながら,氷河変動量予測の不確実性のその他の要素を評価する場合,より小さいスケールでの違いが顕著である可能性がある.また,個々のGCMによる氷河変動予測値の違いや,予測にばらつきをもたらす背景について,まだ十分に議論されていない.したがって,本研究では,1)GCMによる氷河変動量の予測差を山脈レベルのより小さな領域区分毎に示すことと,2)入力するGCMによる氷河モデル予測値の差異の特徴と要因について検討することを試みた.本研究では,氷河の融解水に水資源を最も依存している地域を下流にもつアジア高山域を対象とした.8つのGCMを気象外力として,氷河モデルを用いて2100年までの対象地域内の個々の氷河面積の変化を予測し,山脈を考慮した14区分に分けて解析を行った.その結果,本実験の設定では,西ヒマラヤにおいて,GCMによる氷河面積予測のばらつき(標準偏差や変動係数)が比較的大きいことがわかった.ほとんどの地域区分において,CCCma-CanESM2と MRI-CGCM3は,8GCM中それぞれ最小値,最大値となった.CCCma-CanESM2は,他のGCMより昇温の程度が大きいことに起因して,高い氷河減少率を予測したと推測できる.一方,MRI-CGCM3は,他のGCMが降雪量の減少を予測したのに対し,多くの領域において,降雪量は変化しないこと,もしくは降雪量の微増を予測した.したがって,MRI-CGCM3は,降雪量が減少しないことに起因して,低い氷河面積減少率を示したと考えられる.それぞれのGCMが,そのような特徴をもつ背景(GCMの構造など)については,統計手法などを用いて今後明らかにする予定である.

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