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論文・著書情報
タイトル
和文:
口腔内微小部分処理のための超小型プラズマジェットを用いた殺菌実験
英文:
著者
和文:
栗田理史
,
大澤泰樹
,
LIUZIYU
,
八井田朱音
,
松村有里子
,
岩澤篤郎
,
沖野晃俊
.
英文:
Masafumi Kurita
,
Taiki Osawa
,
Ziyu Liu
,
Akane Yaida
,
Yuriko Matsumura
,
Atsuo Iwasawa
,
AKITOSHI OKINO
.
言語
Japanese
掲載誌/書名
和文:
英文:
巻, 号, ページ
出版年月
2024年9月18日
出版者
和文:
英文:
会議名称
和文:
日本防菌防黴学会第51回年次大会
英文:
開催地
和文:
東京都江戸川区船堀4-1-1
英文:
アブストラクト
〔目的〕 プラークの蓄積により引き起こされるう蝕や歯周病対策のため,口腔ケアは非常に重要で ある。しかし,高齢者には口腔内の十分な清掃が困難な場合がある。また,歯の治療の際, 削った歯の中まで殺菌する手法は薬剤しかないが,乳幼児は組織が未発達で刺激に敏感なの で薬剤を使うことができない。そこで,口腔内病原微生物を殺菌でき,歯の中のような微小 領域を対応できる低侵襲な口腔ケア支援機器が求められている。 歯科界では,感染した歯組織の殺菌を目的とした大気圧低温プラズマジェットによるプラ ズマ殺菌処理が注目されている。プラズマ殺菌では,プラズマ中で生成される活性種などの 反応性の高い分子が,細菌などに接触することで効果を発揮する 1) 。加えて,使用するガス 種によって生成される活性種の種類および濃度が異なるため,殺菌効果も大きく変わる 2) 。 大気圧低温プラズマは処理対象に熱や放電損傷を与えないため,生体に照射することが可能 であるため,我々はプラズマを用いて歯科治療時に歯の中まで殺菌処理することを考えた。 本研究では口腔内の歯を対象に,超小型プラズマジェットを用いて S taphylococcus epidermidis ATCC 12228 に対する殺菌実験を行い,ガス種ごとの殺菌効果を検証した。 〔方法〕 まず,外径 2.75 mm,内径 0.75 mm の超小型プラズマジェットを作製した。300 mL/min の二酸化炭素または窒素を流し, それぞれ 80 V, 90 V の電圧を印加してプラズマを生成した。 処理サンプルは,S. epidermidisの菌懸濁液を 108 CFU/mL の濃度に調製し,プレパラート に10 µL 滴下して乾燥させることによって作製した。 このサンプルに対してプラズマを2 mm の位置から 180 秒間照射した。そして,このサンプルを10 mL の回収液(0.5 %ポリソルベー ト80 水溶液)の入った遠沈菅に入れて撹拌し,段階希釈した。この希釈液を 20 µL 採取して 寒天培地に滴下させ,約24 時間培養した後,コロニーカウント法で生存菌数を評価した。 〔結果〕 二酸化炭素と窒素のプラズマで処理した結果から,プレパラートに付着していた生菌数を 求めると,いずれも約5×105 CFU となった。プレパラートには約 106 CFU の細菌が付着し ているため,プラズマ処理を行うことで付着菌数は 1/2 に減少した。ガスを 180 秒間照射し たときには生菌数が減らなかったことから,プラズマの殺菌効果が確認された。ただし,水 中での殺菌に比べて効果が非常に小さかった。今回の処理はドライな環境下で行ったため, 水由来のヒドロキシルラジカルなどの殺菌力の高い活性種が寄与しなかった事が原因だと推 測される。今後は,プラズマ生成ガスに水蒸気を混合するなどの方法を試す必要があると考 えている。発表では,ミュータンス菌等の他の細菌に対する処理結果も報告する。
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