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論文・著書情報


タイトル
和文:欠陥寸法原分布に基づく厳密極値分布としての破壊強度分布に関する理論解析 
英文:Theory on the exact value distribution of fracture strength taking the flaw size distribution as an initial distribution 
著者
和文: 若林千智, 安田公一, 塩田忠.  
英文: Chisato Wakabayashi, KOUICHI YASUDA, tadashi shiota.  
言語 Japanese 
掲載誌/書名
和文:第21回秋季シンポジウム講演予稿集 
英文:Proceeding of 21th Fall Meeting of The Ceramics Society of Japan 
巻, 号, ページ         Page 123
出版年月 2008年9月 
出版者
和文: 
英文: 
会議名称
和文:日本セラミックス協会秋季シンポジウム 
英文:21st Fall Meeting of The Ceramic Society of Japan 
開催地
和文:北九州国際会議場 
英文:Kitakyushu International Conference Center 
公式リンク http://www.ceramic.or.jp/ig-syuki/index_e.html
 
アブストラクト セラミックスを構造部材として用いるには,稼働条件下での負荷応力に対する部材の破壊確率を精度良く見積もる必要がある.このためには,多数の試験片の破壊試験を行い,得られた強度データをワイブル分布で解析することがよく行われている.ただし,この方法では,時間と費用がかかるため,非破壊検査法などのより経済的な信頼性解析法の開発が求められている. 破壊力学によれば,脆性材料の破壊強度は破壊靱性と破壊源寸法(その試験片における最大欠陥寸法)から算出することができる.しかし,破壊源寸法を知るためには,前もって破壊試験を行い,破面観察により破壊源を同定することになるので,破壊強度を推定する段階では,既に,実測した破壊強度の値を知っていることになる.したがって,この考え方では,非破壊検査法に適用できる信頼性解析法を開発することができない. しかし,本来ならば,破壊靱性と欠陥寸法の原分布が既知であれば,破壊強度分布を理論的に推定できるはずである.すなわち,脆性材料の破壊が最弱リンク説に従うとすれば,リンク数nが1の場合の欠陥寸法原分布が与えられれば,実際の強度試験片(リンク数nは十分大きいと考えられる)の最大欠陥寸法の厳密分布を極値統計論から計算することができる.さらに,破壊力学関係式を使って,最大欠陥寸法の厳密分布を破壊強度の厳密分布に変換すればよい.しかし,このような解析は見当たらない. そこで本研究では,欠陥寸法原分布がガンマ分布であると仮定して,極値統計論より破壊強度の厳密分布を導出した.そして,最弱リンク説におけるリンク数が,曲げ試験片(3×4×40mm3)では,どの程度であるのかについて,強度試験により得られたワイブルパラメータによって検討した.その結果,曲げ試験片では104~106であることが分かった.さらに,リンク数が無限大に発散するにしたがって,破壊強度の厳密分布がワイブル分布にどのように漸近していく様子も見ることができた.

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