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論文・著書情報


タイトル
和文:留学生受入れによる地域活性化-自治体と大学の協働による取組みの横断的分析- 
英文:Revitalization of Local Areas through Increasing International Students: A Cross Analysis of the Joint Efforts by Municipal Governments and Universities 
著者
和文: 佐藤由利子, 橋本博子.  
英文: Yuriko Sato, Hiroko Hashimoto.  
言語 Japanese 
掲載誌/書名
和文:比較教育学研究 
英文:Comparative Education 
巻, 号, ページ     No. 43    pp. 131-153
出版年月 2011年6月25日 
出版者
和文:日本比較教育学会 
英文:Japan Comparative Education Society 
会議名称
和文: 
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開催地
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ファイル
公式リンク http://www.gakkai.ne.jp/jces/journal43.html
 
アブストラクト 地方は都市に比べ、留学生獲得においても、不利な立場にある。本稿は、自治体と大学等が協働で留学生の受入れ・支援の取組みを行っている南オーストラリア(SA)州、大分県、秋田県、福岡県、静岡県、広島県の6つの事例を横断的に分析し、類型化を図ることを目的とする。取組みに影響を与える要因として、英語圏と非英語圏の違い、外国人口・老年人口比率など人口構成による国際化・地域活性化ニーズの違い、地域経済による留学生への期待の違いの3つを想定し、比較を行った。 その結果、英語圏のSA州では、主に経済的動機から留学生の獲得に活動の重点が置かれているのに対し、非英語圏の日本の5県では、教育や地域の国際化や外国人材の獲得を主目的とし、留学生の生活支援、地域交流、就職支援の活動に重点が置かれていることから、前者を「経済的アプローチ」、後者を「国際化アプローチ」「人材獲得アプローチ」と呼べるような、取組みの差異があることが判明した。 また、製造業が盛んな太平洋ベルトに位置する福岡、静岡、広島では、県内産業の競争力強化のため、外国人材獲得を目指す「人材獲得アプローチ」が強い傾向が見られるのに対し、県内総生産が小さく、第二次産業事業所数が少なく、人口の高齢化が進み、外国人口比率が低い秋田と大分では、「国際化アプローチ」の傾向強く見られた。また、観光が県経済の柱である大分県では、留学生の協力による観光海外広報の試みが始まっている。 オーストラリアでは、日本に比べ、外国生まれの人口比率が格段に高く、老年人口比率が低く、日本のように、留学生を国際化リソースとして活用しようとする考え方はあまり見られない。SA州では、留学生のもたらす外貨が州輸出の第4位を占め、州政府の長期戦略にも、留学生増加目標が掲げられている。このように、人口構成や産業構成の違いも、自治体と大学の協働による取組みに影響を与えていることが判明した。

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